ウクライナ情勢(3)

ウクライナ情勢(3)

12月24日でロシア軍がウクライナに侵攻し、早10ヶ月が経過しました。

8月以降、軍事評論家の予想ではウクライナ軍は南部ヘルソン奪還を目指しているように見えましたが、9月上旬北部ハルキュウ東側の重要な軍事拠点イジュームに奇襲攻撃をかけ電撃的に奪還しました。

 この奇襲攻撃はロシア軍のみならず、欧米の軍事専門家も予想だにしなかった攻撃で、イジュームのロシア軍は最新鋭の戦車(T90M)等を破壊する余裕もなく壊滅しました。逆にウクライナ軍はロシア軍から多数の軍事兵器(戦車・砲弾等)を鹵獲しました。

 北部ではイジュームの他、重要拠点リマンも短期間で奪還し、現在スバトボやクレミンナに迫っている状況です。

 南部では10月8日にロシア本土とクリミア半島を結ぶクリミア大橋で大爆発が起こり、鉄道橋や道路橋の一部が崩壊しました。橋の崩壊によりロシア軍は鉄道での兵站の輸送が困難となり、11月11日州都ヘルソンの奪還に繫がったようです。ウクライナ軍の作戦はロシア軍の補給路を断つという戦略で、さらにドニエプル川東岸へ進みクリミア奪還を目指している状況です。

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 軍事面で劣勢のロシア軍は、ミサイルやイランのドローン(シャヘド136等)でウクライナの民間施設やエネルギー施設を狙い、電力設備に多大な被害がでて大規模な停電が発生しています。ウクライナのインフラ施設を人質にした攻撃です。

 一方12月にウクライナ首都キエフから500km以上離れたロシア領内の軍用飛行場2ヶ所で爆発が起きています。これはウクライナ軍の自爆型長距離ドローン兵器(TU-141改良型)によるもののようです。ウクライナは自国で占領された地域以外にロシア領内深部まで攻撃が可能になったことを示しています。また、ウクライナ軍の水上ドローンによりクリミア半島の港やロシア領内の軍港を攻撃しています。

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 ロシア軍は来年春頃、秋に招集した兵隊15万人で再攻撃を行うともささやかれています。

個人的にはロシア(プーチン大統領)は戦争に勝つことよりも、戦争を長引かせて占領した領地(特にクリミア)を何とか死守することに重点を置いているように感じます。来年早期の解決を願うばかりです。

ウクライナの平和とエネルギー価格や材料・資材価格の下落に期待しています。